映画を家で観たり、いつでも観られるように手元に置いて置きたいとというのは、昔から映画ファンの夢でした。
そんな中80年代にVHSやBetaといったビデオテープが普及し、コレクション用としてレーザーディスクが発売され、時代はいつしかアナログからデジタルに移行してDVD VIDEOが登場しました。
DVD VIDEOはその手軽さから広く普及し、今も残るメディアとなりましたが、本記事は1999年のDVD黎明期、DVDコレクションを始めていた自分が映画仲間のおじさんに頼まれて、彼のサイトに書いたものです。
DVDがいかにそれまでのメディアと違い、衝撃的だったかが分かっていただけると思います。
はじめに
映画はもちろん映画館で観るのが一番。
でも、好きな映画がいつも公開してるわけではないし、公開が終わればほとんどの映画は二度と映画館ではかかりません。だから好きな映画を手元に置いておきたくてビデオソフトを購入する人は多いと思います。
ビデオテープで買うからDVDなんていいや…と思っている方。
映画をコレクションするならDVDもいいですよ。
ここでは、今一番普及しているビデオテープとの比較を簡単に記述します。
DVDの特徴
1.テープよりも映像が綺麗。
画面が大きいほど違いがわかります。テープをはるかにしのぐ解像度。
またテープとは違ってデジタル方式で記録されているので、画像の劣化もありません。
デジタルだったらビデオCDもある?
ビデオCDはMPEG-1というデジタル圧縮方式で記録されています。
解像度はほぼVHSと同じ。また、最大で74分の記録なので映画ソフトは必然的に2枚組になります。
MPEG-2方式のDVDはLDをもしのぐ解像度を持ち、片面1層でも140分以上の記録が入ります。
2層方式だとそのおよそ2倍。つまり、「七人の侍」でも1枚のディスクの片面だけで収まってしまうわけです。
2.スクイーズ映像
最近、ワイドTVが主流になりつつありますが(家で映画観る人が増えている証拠ですね)、DVDはワイドTVで見るときに適したスクイーズ映像で収録されているものが多いです。
サイズは大体ビスタかシネスコ。劇場に近いサイズで観れます。
テープでもワイドサイズというのがありますが、これはスタンダード(4:3)の上下を切って拡大する方式なので、映像は更に粗くなります。
3.字幕・音声
ビデオテープでは字幕版、吹替版と2種類発売されるものが多いですね。
どちらが良いかはまた別の話ですが、多くのDVDは1枚で両方入っています。
そして、ほとんどのディスクは字幕のON・OFFが可能。
さらに字幕も日本語と英語と二種類入っているものが多いので、英語学習などにも使えそうです。
音声はオリジナル音声、吹き替え音声の他、セリフを省いたサウンドトラックまで収録しているディスクもあります。このようなディスクではサントラCDに入っていない音楽もちゃんと収録されているわけです。サウンドトラックは「マーズ・アタック!」「燃えよドラゴン」「スペース・ジャム」「アマデウス」などで聞くことができます。
また、AVアンプを揃え、ホームシアターを作ろうと思っている方にDVDは欠かせません。ドルビーデジタル記録方式による5.1CHサラウンドは、簡単に言うとVHSの2CHサラウンド(ドルビーサラウンド)よりもはるかに臨場感が出ます。
4.マルチアングル・マルチストーリー
映画ソフトではありませんが、同じ場面を違ったアングルから観ることができるソフトもあります(マルチアングル)
コンサートビデオなどで使われている機能です。
他にマルチストーリーという機能があります。
この機能を使えば、例えば、映画館で公開した劇場公開版と、後から編集したディレクターズ・カットなどを両方とも1枚のディスクに収めることができるわけです。
ただ、残念ながらこの機能を使ったディスクはまだほとんど発売されていません。
5.映画データ
ほとんどのディスクにはスタッフやキャストのデータ、プロダクションノートが収録されています。
下手なプログラムよりも情報の多いものもあります。
「この俳優は他に何に出てるんだろう?」と思ったときにもすぐに調べられるので便利です。
6.特典映像
これが一番の魅力です。映画本編とは別にいろいろな映像が入っているディスクがあります。
・予告編
その映画の劇場予告編が入っているものが多い。「パルプフィクション」ではなんと5ヶ国もの予告編が収録されています。
・メイキング
メイキングドキュメンタリーは「大脱走」「コンタクト」「カサブランカ」「燃えよドラゴン」「ワイルドバンチ」「ロボコップ」「ジャッキー・ブラウン」「エクソシスト」などで楽しめます。好きな映画は舞台裏も知りたいですよね。
・未公開映像
未公開映像は、主に編集段階でカットされた映像です。「オースティン・パワーズ」「トレインスポッティング」「ブギーナイツ」「ガタカ」などに収録。本編と合わせて観ると、理解が深まること請け合いです。
おすすめDVDタイトル
(五十音順)
『コンタクト 特別版』
40分以上のメイキングが収録されています。
特撮においてCGがどのように使われているのか知ることのできるとても興味深い映像です。
観ているときには気付かない、何気ないところにもCGが使われています。
『タクシードライバー』
元のモノラル音声が2CHステレオにリミックスされています。
画質も最高。これを入れたのは単に個人的に好きな映画だから。
『パルプ・フィクション』
タイトル画面が凝ってます。
映画の雰囲気そのままで、タイトル画面を観ているだけでも楽しいディスクです。
『ビッグ・リボウスキ』(北米盤)
これは北米盤なのですが、TVサイズと劇場公開のビスタサイズが同時収録されています。
海外盤なので日本語字幕はもちろん入ってません。
特典映像としてコーエン兄弟の30分間にわたるインタビューが収録されています。
もっとも英語が解らないの私は何を言ってるかチンプンカンプンでしたが…。
※DVDにはリージョン・コードというのがあり、輸入盤は日本のプレーヤーではかからないことが多いので購入には注意が必要です。
『恋愛小説家』
【特徴】の項目ではふれなかったのですが、このソフトにはオーディオコメンタリーなるものが収録されていて、映画を観ながらジャック・ニコルソンやヘレン・ハントが各シーンについて語っているのを聞くことができます。ここの演技はああだったこうだったという話は面白いですよ。
最後に
でも、いいことばかりではありません。
まず、値段がちょっと問題。買うなら今のところはビデオテープの方が安いのです。
レンタルも一部のところでははじまっていますが、ほとんどないのが現状。
タイトル数そのものも徐々に増えてきてはいるものの、まだまだ少ない。
普及すれば、タイトル数も増え、値段も下がってくることでしょう。
みなさんとともに映画を1本観る値段で1枚のDVDを購入できる状態を作っていけたら幸いと思います。
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